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預貯金も、遺産分割の対象に

2017年2月1日

昨年12月、最高裁は、相続財産の取り分を決める「遺産分割」の対象に預貯金を含まないとしてきた判例を変更し、「預貯金は遺産分割の対象に含む」という判断を示しました。
 過去の判例では、預貯金は不動産や株式など他の財産とは関係なく、法定相続割合に応じて相続人に振り分けるとしてきました。


 今回、最高裁は、「遺産分割は相続人同士の実質的な公平を図るものであり、出来る限り幅広い財産を対象とするのが望ましい」としたうえで、「預貯金は遺産分割の対象とするのが相当」と結論づけました。


 この変更によれば、例えば、「兄は土地、建物等の不動産、弟は預貯金全額」といった分割や、特定の相続人に多額の生前贈与があった場合の不公平な遺産分割の解消につながるとされています。

 

 一方で、この変更により、死亡直後に相続人が葬儀費用等に必要な、まとまった資金を被相続人の預金から引き出す場合や、相続人が当面の生活に必要な資金を引き出すケースで影響が出てきます。これまでの判例に従えば、遺産分割をしなくても自分の法定相続分は引き出し可能だったからです。


 このような場合、相続人からの引き出し要請に応じるかどうかは金融機関や支店によって分かれるところでありますが、ある相続人の要請に応じて預金を引き出したことで、他の相続人から訴えられることも想定して、基本的には「相続人全員の合意がない限り引き出しには応じない」方向のようです。


 これまでも、相続の手続き上、被相続人の預貯金を引き出す場合、まずは、相続人間で預貯金だけの遺産分割協議書を作成して、その分割書通りの預貯金の引き出し、移転が行われる場合が多いですが、預貯金のみの分割協議がまとまらない場合には、預貯金を引き出せない状態が長く続く可能性もあります。


 その解決方法として、家庭裁判所の審判より簡易な手続きで金融機関へ仮払いを申し立てる「保全処分」が検討されています。

 

 いずれにしても、緊急に預貯金の引き出しが必要な場合には、まず、預貯金だけでもスムーズに分割協議がなされることが重要になってまいります。


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