配偶者居住権(新設)について
2019年11月11日
~2020年4月より、相続を取り巻く環境が大きく変わります~
民法が改正され、新しく配偶者居住権という権利が認められるようになります。
この配偶者居住権には大切なポイントが3つあります。
以下、そのポイントを簡単に説明していきます。
まず1つ目、配偶者居住権とは「配偶者が自宅の所有権を相続しなかったとしても、
自宅に住み続けるのは認めてあげましょう」という新しい権利であるということで
す。
つまり、所有権を、「使う(住む)権利」と「その他の権利」に分離をして、
別々の人が相続することを認める仕組みです。配偶者には「使う(住む)権利」を、
その他の相続人には「その他の権利」を相続させることが可能です。この「使う
(住む)権利」のことを、配偶者居住権といい、「その他の権利」のことを、配偶
者居住権が設定された所有権といいます。
2つ目のポイントは、配偶者居住権は、相続が発生した時点で、その自宅に
住んでいた配偶者にだけ認められ、かつ、配偶者居住権の登記が必要になるというこ
とです。
3つ目のポイントは、配偶者居住権は売却できないこと、そして、配偶者の
死亡によって消滅するため、相続させることはできないという点です。配偶者
居住権の消滅後は、その他の権利を相続していた人が、その不動産の権利を
丸ごと所有することになり、通常の所有権に戻ります。その後の所有権を
持っている人は住むのも、売るのも、取り壊して建て替えるのも、自由ということに
なります。
以上ですが、新しくできたものなので、注目して行くべき制度だと思います。